C言語入門（１０）：関数

 
• 関数（function）

 
大きなプログラムを設計する際、全体をいくつかの小さな機能に分けて考えていく手法がよく用いられる。実際のプログラムでは、１つの小さな機能を１つの関数を使って構築する。C では、プログラムは main を含めて関数の集合体である。
 
• 関数の定義

関数は、外部と"引数（ひきすう）"によってデータのやりとりを行い、関数内部で文を実行する。そして retrun 式 によって関数の値を外部に戻す。関数の一般的な形は次のようである。

return 型    関数名 (引数の宣言1, 引数の宣言2, ... )  {       宣言と文        return 式;  }

戻り値が無い場合、return 文は省略できる。
 
• 関数の呼出

関数を呼び出すには、関数名を記述すればよい。つまり

関数名 (引数1, 引数2, ... )

ここで引数1, 引数2,... は、呼び出される関数で指定される引数の宣言1, 引数の宣言2, ... と対応している。
 
• 関数の宣言

関数も変数と同様に呼び出しをする前に宣言する。

return 型    関数名 (引数の宣言1, 引数の宣言2, ... )

プログラム中の全てにおいて使用する場合、そのプログラムの先頭で宣言す る。
 
（例題１０−１）
以下のプログラムは、整数 n を入力し、1から n までの和を計算するプログラムです。作成し実行してみましょう。  

（実行結果 ）
gcc ex10-1.c -o ex10-1
./ex10-1
input n:99
1+2+...+n= 4950
(1+n)*n/2= 4950
 
•  上のプログラムはmain 関数とsum 関数の２つの関数からなっています。

     int sum(int m)
     {
     .....
     }

は、整数型の変数 m を入力し、return(s) で s の値を返す関数です。 int sum は、関数 sum が整数型のデータを返すことを表しています。 int m は、m が整数型の引数であることを表しています。
 

• 上から３行目の

int sum(int);
は関数 sum の宣言文です。これによって sum は１つの int 型の変数を引数に持ち、戻り値は int 型であることを表しています。
 
• 引数の他に関数の内部で使用する変数(i,s) の宣言をする。これらの内部変数は、関数の外(例えばmainの中)では使えません。

 
• ((1+n)*n)/2 の計算で、 n か n+1 のどちらかは必ず偶数なので((1+n)*n) の値は必ず偶数。よって２で割って正しい結果が得られる。n/2*(n+1) などとすると結果が変わることに注意。
 

（課題１０−１）
上のプログラムを参考に、n の階乗を計算するプログラムを作成し実行しなさい。n が大きい場合どうすればよいか、再び吟味せよ。

 
（例題１０−２）
以下のプログラムは、２つの整数を入力し、絶対値の大きいものを出力するプログラムです。作成し実行してみましょう。
 

（実行結果 ）
gcc ex10-2.c -o ex10-2
./ex10-2
input 2 integer numbers ? 1 -5
2 interger numbers : 1 -5
max number of the abs. values: 5
 

•  上のプログラムはmain 関数とmaxabs 関数の２つのプログラムからなっています。

 
• （重要）上の例では関数の中で b=-b によって b に 5 が代入されたにも 関わらず、main プログラムでは y の値が-5 のままであることに注意。 上の例では、関数を呼び出しても、引数の内容は変わらない。
 

（課題１０−２）
上のプログラムを参考に、３つの実数を入力し、絶対値の最小の数を 出力するプログラムを作成し、実行しなさい。
 

（課題１０−３）
セ氏を入力しカ氏を戻す関数を作成し、main 関数で呼び出すプログラムを作成しなさい。main ではセ氏は -30 度から 100 度まで５度きざみにして温度表を作りなさい。

（課題１０−４）
セ氏とカ氏の温度変換をする関数
double converter(double t1, int key)
{
...
return (t2)
}

を作成しなさい。 ここで key は、セ氏->カ氏か、カ氏->セ氏かを決めるスイッチです。例えば key=1 だったらセ氏->カ氏などというように使う。

余裕のある人へ


（課題１０−5）
ユークリッドの互除法によって最大公約数を求める関数を作成し実行しなさい。